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2015年2月28日

アライメントエンジンのマッチング機能

こんにちは。画像処理担当の鈴木です。

今回はアライメントエンジンの画像マッチング機能について紹介します。

アライメントエンジンは、画像処理ライブラリHALCONの形状マッチング機能を利用して画像マッチングを行います。形状マッチングとは、事前に登録した元となる画像の形状を対象画像から検索して、画像内の位置や姿勢を検出する機能のことを言います。

1.テンプレート画像の登録
アライメントエンジンでは元となる画像形状の情報をテンプレートと呼びます。
カメラ画像を取得し、画像内の任意の形状をマウス指定によりテンプレート登録することができます。また、登録時には、以下のパラメータを指定することができます。

・画像ピラミッドレベル
高速検索するための画像ピラミッドレベル(後述)
・コントラスト
登録する形状(エッジ)情報を抽出する際のコントラストしきい値

 

登録する形状(エッジ)は画像に重ねて表示されますので、コントラストパラメータを目で見て確認することができます。

テンプレートエッジ表示

テンプレートエッジ表示

 

2.形状マッチング
アライメントエンジンでは、カメラ画像に対して形状マッチングをテストし、画面で結果を確認するすることができます。

マッチング結果

マッチング結果

 

また、形状マッチングでは以下のパラメータを指定することができます。

・AngleStart
モデルの回転開始角度。
・AngleExtent
回転角度範囲
・ScaleMin
モデルの最小スケール
・ScaleMax
モデルの最大スケール
・MinScore
検出するモデルの最少スコア
・MaxScore
検出するモデルの最大スコア
・SubPixel
サブピクセルの精度
・NumLevels
マッチングに使用するピラミッドレベル数。
・Greediness
検索の入念さ(0:正確だが、検索速度が遅い。1:検索速度は速いが、検索に失敗する可能性もある)

 

形状マッチング結果として、以下の情報を得ることができます。

・Row
検出したモデルの位置(Row座標)
・Column
検出したモデルの位置(Column座標)
・Angle
検出したモデルの回転角度
・Scale
検出したモデルのスケール
・Score
検出したモデルのスコア(0.0~1.0)
1.0のとき、形状合致率最大を意味します。

このように、アライメントエンジンの画像マッチング機能では、検索モデル(テンプレート)の位置や、大きさ、回転角も検出することが可能です。
また、Score値により形状の厳密さの判断や、ロバスト性のあるマッチング調整を行うことも可能です。(ただし、Score値を小さくすると誤認識の危険性も高まるため要注意!)

 

★画像ピラミッドモデル
アライメントエンジンの形状マッチングでは、高速検索を可能にするため画像ピラミッドモデルという手法を採用しています。これは、モデルとなる形状データと検索対象画像を共に縮小して荒検索を行い、見つかったエリアに対応する元倍率画像エリアで再検索する手法の拡張で、1レベルにつき1/2縮小の画像を対象とします。
例えば、ピラミッドレベル4では、
1/2 * 1/2 * 1/2 * 1/2 = 1/16
で1/16縮小画像で検索した後、1/8, 1/4, 1/2, 原寸と検索対象領域を引き継いでマッチングを行います。
アライメントエンジンでは、この手法により超高速な形状マッチングを実現しています。

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