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2016年9月1日

撮像素子と波長感度を考える

撮像素子と言えば、CCD、 CMOSと答えるのが一般的でしょう。その素子っていったい何でできているのでしょうか?
答えは、シリコン(Si)です。さらに言えば、Siの半導体受光素子を使います。ここまで答えられる人が普通でしょう。
 半導体を知っている人ならさらに深堀する内容を知っておられるはずです。p型半導体とn型半導体の接合部での光電変換により撮像することができます。Siの感度特性は、200nm~1100nmであり、ちょうど人間の目と同じ可視領域をカバーすることができます。

 ここのところ近赤外カメラが仕事であがってきていますが、Siは得意分野ではないです。ここで素子のキーワードとして登場してくるのがInGaAsカメラとなります。InGaAsとは元素のことを指しており、イリジウム・ガリウム・ヒ素の素子で、近赤外である800nm~2umのカメラです。

その他素子として撮像に用いられるものは、
・可視の400nmから600nmターゲットとするGaAsP(ガリウム・ヒ素・リン)
・紫外から近可視の200nmから500nmターゲットとするGaP(ガリウム・リン)
・近赤外の2umから5umターゲットとするInSb(イリジウム・アンチモン)
・赤外の2um~20umターゲットとするHgCdTe(水銀・カドミウム・テルル)
等があります。

 ここまで読んでこられている方で納得していない方がいるはずです。それは赤外のセンサを使ったことがありそんな高価な素子は使っていないだろうと思っている感覚の持ち主です。今まで紹介したものは光子の入射で電荷を検出するタイプであり、もう一つのタイプは受光によって熱を感知するタイプです。このタイプは前者より検出感度や反応速度が劣りますが、波長に依存しない、熱雑音の影響を受けにくい、価格が安いという面もありこちらのタイプの方が目にすることが多いと思います。

amazonで赤外カメラを調べると4000円台で購入することができます。赤外カメラは身近なものになっていると思います。通勤している道路に設置されており、見えないだろうと思う夜間に監視されているかもしれません。

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